諦観禀空
INTRODUCTION
獣生まれの禀空は、村のお祭りで見かけた演武に感動し、ブドウを習うためヒトの世界に飛び込んだ。長い修行を終え、ヒトとして生きていくことを決めるが、いつしか挫折してしまう。ヒトになりきれず獣にも戻れない禀空に、かつての師匠は三本勝負を仕掛けるのだった。(全七話)
CHARACTER
禀空(りんくう)
獣生まれ山育ち。早くにひとり立ちをし、農作物を荒らすためヒトから追い払われる毎日。そんなある日、村のお祭りで見かけたブドウの演武に感動し、自分もヒトになってブドウを会得したいと道場に入門する。
穂央(ほおう)
禀空が道場に入門するきっかけとなった兄弟子の一人。禀空を弟のように可愛がり、ヒトとして生きる楽しみや優しい気持ちをたくさん教えてくれた。
秋鼎(しゅうてい)
穂央とともに演武をしていた兄弟子。かつては穂央の家で飼われているネコだったが、穂央の後を追うように入門した、禀空と同じ獣生まれ。
桂天(けいてん)
禀空が就職した役場の先輩。読み書きが苦手で要領が悪く、毎日大声で叱られている。禀空たち後輩には優しく、仕事が辛くなった時には唯一心の支えとなる先輩。
丞清(すけきよ)
部署の花形的、敏腕係長。上司の駒弓よりも実権がある。常に完璧主義で非常に厳しく、出来の悪い桂天には毎日怒鳴っている。
早碧(さみどり)
桂天の同期で、上司とも良い関係を築きバランスをとっている。丞清に怒鳴られる桂天を見守るが助けはしない。
駒弓(こまゆみ)
窓際課長。ほぼ丞清の言いなりで自分の意思を持たない。部下たちの信頼は特にない。
那津草(なつくさ)
禀空の後輩職員。爽やかな笑顔が特徴の元気な好青年。振られた仕事を全て抱え込んでしまう真面目さを禀空は心配している。
加漆美(かしつみ)
那津草の同期の女の子。明るく社交的な人柄が評価され可愛がられるが、同期との扱いの差に困惑している。
藤織(フジオリ)
禀空の世界には実在しない、原宿系の派手なファッションをしたカフェ店員。禀空と師匠の三番勝負で強い味方となる。
師匠(シショウ)
道場を破門された後、ヒトとして生きることに迷う禀空を導く代わりに三本勝負を仕掛ける。
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